切手収集の動機

シベリア内戦1919年・郵趣記録

切手収集の初め

私の切手収集は30年以上前に読んだ新潮文庫のフリーマントル著「罠にかけられた男」が契機となり、­帝政ロシア1番切手~ロシア革命で帝政が崩壊する迄」の切手を収集する事から始まりました。

書籍の内容は「帝政ロシア皇帝が蒐集した貴重な切手の争奪を廻る争いですが、米国開催のロマノフ王朝切手展は切手収集家のマフィアのボスを誘き出す為にFBIが企てた計画であり、米政府に依って盗難が予定された催しでした。

主人公は米国で開催するロマノフ王朝切手展の保険を引き受けた友人の依頼で切手展の監督を引き受けた元英国情報部員ですが、ロシア皇帝の切手コレクションを廻ってソ連のKGBも絡んでの面白い展開となっている小説です。

冒頭の56ページのプロローグ「ロシア終末期(ロシア革命)ロマノフ王朝の崩壊」の描写は歴史的事実に基づいており、ロシア皇帝の切手コレクションが事実か否かは不明ですが「存在している」と思わせる様な描写に魅力を感じました。

今となっては定かな記憶ではありませんが、この書籍が私にロシア切手に興味を抱かせた一因だと思います。

切手収集の範囲

私の切手収集は帝政ロシアの1番切手~ロシア革命により帝政が崩壊する迄の間に発行された未使用切手を「ひたすら集めて」ストックリーフに整理して一人で楽しむだけのものでした。

転機は20年程前に京都支社から転勤して来た同僚が「日露戦争」を主題とした切手とかカバー類を収集しており、この同僚から郵便史とか消印の収集(マルコフィリー)等々 郵趣に関する指導と助言を受けてから収集内容が一変しました。

以前から関心を持っていたロシア革命に関するマテリアルの収集、この題材に関しては「あまりにも大きな題材」であり、即断念しました。

ロシア革命に干渉してシベリアに出兵した連合国の「シベリア出兵」に関するマテリアルの収集を計画しましたが、地域をシベリアと限定したとしても10カ国程度の軍隊が出兵しており、とても私には手に負えないと断念しました。

結局、シベリアへ出兵した日本軍との直接的な軍事衝突を回避する為の緩衝国として、極東共和国ができた事を知り、シベリア・極東共和国に於いて発行された切手を収集範囲と定めて本格的に切手の収集が始まりました。

私の郵趣も何度も中断がありましたが、何とか現在に至るも基本的な収集範囲を逸脱する事なく継続できています。

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